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第13話 見習い魔女と黒き妖精

Author: 173号機
last update Last Updated: 2025-03-18 06:00:00
 ※ベリーからのお知らせ。

 今回はちょっぴり刺激が強い内容だよ。心臓が弱い人は気を付けてね。

 ----------------

 迫り来る数多のウィル・オ・ウィスプ。奴らはカサカサという特有の音を立てながらもうすぐそこまで来ている。

 シラーやベリーに助けを求めようにも姿が見えない。良司さんもだ。主のピンチに駆け付けない使い魔になんの意味があろうか。あいつら三人はクソだ、ごみ屑だ。

 しかもベリーがいないから私の格好はパジャマ。防御力云々とかいうレベルじゃない。

「あああ、ウィル・オ・ウィスプの弱点はなんだっけ。久々過ぎて思い出せない!」

 ウィル・オ・ウィスプは幽霊系の中でもわりと厄介な方で、触れると凄く冷たい。焼けるような冷たさと言えばいいだろうか。とにかくこんな数に襲われたらショック死かよくて凍死。

 揺らめく青白い炎のせいか、時折景色がざわざわ動いて見えるのも気味が悪い。

 床に散らばる木の破片や枯れ葉を投げ付けて威嚇するも、それらを取り込こまれて炎を大きくするだけだった。

「水、そうだ水をぶっかけて――」

 いやいや、ただの火の玉じゃないんだから水をかけても無意味だって習ったじゃない。大学で消火実習をしたけど二十年以上前だし、そもそもウィル・オ・ウィスプなんて現代じゃ滅多に出くわさないから対処法なんか綺麗さっぱり忘れてしまった。

「い、いやっ!」

 四方八方から揺らめき寄るウィル・オ・ウィスプ。ぶつかる、と思ったその瞬間、勇ましい声が響いた。

「止めないかお前たち!」

 白馬に乗った王子様を思い起こさせる声、または勇者が颯爽と現れたかのような安堵感、あるいは威厳ある魔王の命令……。

 ピタッと止まったウィル・オ・ウィスプたちが、どこか残念そうな雰囲気で声のした方向へ飛んで行く。

 やつらが去ると、室内がずいぶん薄暗いのだと改めて気付く。

「驚かせてすまぬ。ただこやつらも悪気があったわけではないのだ」

「ヒィッ!」

 小さな悲鳴をあげてしまった。でも仕方がない。誰でもこうなる。そうじゃなければ異常者だ。

 なんとウィル・オ・ウィスプたちに照らされて浮かび上がった声の主は、壁に張り付いた二メートルはあろうかという巨大なゴキブリ。喋っているからたぶん妖精なんだろう。

「あああああああああああああ!!!!!」

 私は恐怖と混乱で変身を維持できなくなった。
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